【2026年10/1最新改正】年収要件解説(申請完了者も対象)
はじめに
2026年(令和8年)10月1日、出入国在留管理庁より「永住許可に関するガイドライン」の最新改定版が正式に公表されました。
8月に公表されていた改定案から内容の変更はなく、これまで「10年日本に住んで、税金を払っていれば許可される」といわれていた永住審査の基準が、過去に例を見ないほど明確かつ厳格なものへと変わりました。
本記事では、10月1日に改正された新ガイドラインとこれまでの旧ガイドラインを比較し、特に影響の大きい「年収要件」を中心に、これから永住申請を目指す方、そして「すでに申請を完了して結果待ちの方」が直面する影響と取るべき対応について詳細に解説します。
1. 新旧ガイドラインの比較:何がどう変わったのか?
今回の改正により、審査の基準が曖昧だった部分が数値化され、非常に厳格なものとなりました。まずは主な変更点を比較して確認しましょう。
| 審査項目 | 旧ガイドライン(これまで) | 新ガイドライン(2026年10月1日改定) | 影響度 |
| 収入(独立生計要件) | 概ね年収300万円程度など、安定した収入があれば可とされていた。夫婦の収入合算も広く認められていた。 | 日本人世帯の平均年収を継続して上回ること。
「家族滞在」ビザの配偶者のアルバイト収入は世帯年収に合算不可。 |
極めて大 |
| 日本語能力(国益適合要件) | 特段の明確な規定なし。 | 「日本語教育の参照枠」のB1相当以上(JLPT N3で一定点数以上、またはN2以上など)が必要と明記。 | 大 |
| 公租公課・法令遵守 | 税金や年金を適正に払っていること。 | 固定資産税や法人税なども対象。**納付期限を「1日」でも過ぎた場合は消極評価(マイナス評価)**となる。 | 大 |
2. 新ガイドラインにおける「3つの重要ポイント」
① 世帯年収要件の厳格化と「合算不可」ルール
これまでの審査では、単身であれば「年収300万円」がひとつの目安とされてきました。しかし新ガイドラインでは、「申請人の世帯年収が、日本人世帯の平均年収を継続して上回っていること」が要件として明記されました。
厚生労働省の調査等に基づくと、現在の日本人世帯の平均年収はおおよそ「575万円」前後とされており、これを基準に審査が行われる可能性が高いです(単身か家族持ちかによって計算の目安は変動します)。
さらに最も注意すべきは、世帯年収の合算ルールです。
これまでは、申請人(例えば技術・人文知識・国際業務ビザ)の収入と、配偶者(家族滞在ビザで資格外活動許可を得ている場合)のアルバイト収入を合算して年収要件をクリアすることが認められていました。
しかし今後は、家族滞在ビザで得たアルバイト収入は世帯年収に合算できなくなります。メインの稼ぎ手である申請者本人の単独収入か、配偶者自身も就労ビザを持っている場合の収入のみで、厳しい基準をクリアしなければなりません。
② 日本語能力要件の追加
新たに「日本語能力」が永住許可の要件として加わりました。
具体的には、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)の「B1」相当のレベルが求められます。日本語能力試験(JLPT)で言えば、N3に合格し、かつ総合得点で104点以上を取得しているか、あるいはN2以上に合格している必要があります。
長く日本に住んでいて収入が安定していても、日本語能力の客観的な証明ができなければ永住許可が下りないことになります。
③ 公租公課(税金・年金など)の納付期限の厳格化
税金、国民健康保険、国民年金などの公租公課の支払いについて、これまでは最終的に払っていれば大目に見られるケースもありましたが、新基準では「納付期限」が厳しく問われます。
住民税だけでなく、固定資産税や法人税なども対象となり、納付期限を1日でも過ぎて支払った履歴がある場合、ガイドライン上「消極評価(マイナス評価)」となると明記されました。これが直接的に不許可の理由となる可能性が極めて高くなっています。
3. 【超重要】施行時期と「遡及適用」について(申請完了者も対象!)
新しいガイドラインの内容は、原則として令和9年(2027年)4月1日から適用(施行)されます。
「それなら来年までは今のままで大丈夫だ」と思うかもしれませんが、ここに大きな落とし穴があります。
以下の2つの要件については、改定日(10月1日)より半年前の「令和6年(2024年)4月1日以降」に行われた申請に対して、遡って適用(遡及適用)されることが明記されています。
- 年収要件(独立生計要件)
- 公的負担を受けていないこと(生活保護などを受給していないこと)
つまり、すでに今年の春や夏に永住申請を済ませて、現在入管の審査結果を待っている最中の方であっても、この厳しい「新しい年収要件(家族滞在の合算不可など)」で審査されてしまうということです。
現在審査待ちの方も、決して人ごとではありません。
4. 今後取るべき対応・対策
この厳しい新ガイドラインに対して、これから永住申請を目指す方、そして既に申請中の方はどのような対応を取るべきでしょうか。
- 世帯年収の再計算と対策
これから申請する方は、家族滞在ビザの配偶者のアルバイト代を含めずに、ご自身の年収だけで基準を満たしているか再確認してください。もし現在審査中の方で、配偶者のパート代を合算して申請してしまっている場合は、追加で資産証明書を提出するなど、入管から指摘を受ける前にリカバリーの理由書を準備しておく必要があります。 - 日本語試験の早期受験
日本語能力要件は2027年4月以降の適用となりますが、JLPT(日本語能力試験)は年に2回しか実施されません。現在能力証明がない方は、今すぐ試験の申し込みを行い、N2以上の合格、またはBJT(ビジネス日本語能力テスト)など代替となる試験のスコアを早期に取得する計画を立ててください。 - 支払いの自動引き落とし化
税金や年金の「1日の支払い遅れ」を防ぐため、納付書でのコンビニ払いは絶対にやめ、すべて銀行口座からの「自動引き落とし(口座振替)」に設定してください。
永住審査は「ただ長く住んでいるだけ」では許可されない、極めて厳格な実態審査の時代に突入しました。確実な許可を目指すためには、専門家と連携した事前の戦略立案が不可欠です。
当事務所のサポート
当事務所では、永住ビザに関する豊富な経験と専門知識を持つ行政書士が、お客様の状況に合わせて丁寧にサポートいたします。
- 永住権取得の可能性診断
- 生計要件に関する具体的なアドバイス
- 必要書類の準備サポート
- 入国管理局への申請手続き代行
当事務所にご相談いただければ、お客様の状況を丁寧にヒアリングし、永住権取得の可能性を最大限に高めるためのサポートをいたします。
永住権に関する不安を抱えている方は、お気軽にご相談ください。
お問い合わせはこちら: https://permanentstatus-japan.com/
連絡先 :03(6450)2865






