2026年最新:永住権審査における最長の在留期間要件の厳格化と実務上の対策

03-6450-2865

10:00~19:00(土・日・祝日を除く)
10:00~17:00(土曜日)

無料相談予約

Q&Aはこちら

東京都品川区上大崎2丁目24-11 目黒西口マンション2号館 905号室 (駅から徒歩2分)

2026年最新:永住権審査における最長の在留期間要件の厳格化と実務上の対策

はじめに

日本の永住許可制度は、2024年の出入国管理及び難民認定法(以下、入管法)の改正を経て、運用面での大きな転換期を迎えています。この改正は、特に在留外国人の公的義務(納税、社会保険料納付など)の遵守状況をより厳格に把握・管理する方向に舵を切ったものであり、永住許可の審査基準にも直接的な影響を与えています。

永住許可は、在留期間の制限がなくなり、就労活動にも制限がなくなるという非常に強力な法的地位を付与するものです。そのため、その審査基準は他の在留資格と比較しても極めて厳格に設定されており、法務省も国民生活への影響を鑑み、慎重な姿勢を崩していません。

現在、永住許可申請者が直面している最も重要な変更点は、永住許可ガイドラインに定められた「国益適合要件」の一つである「最長の在留期間をもって在留していること」という項目の運用です。

この要件は、申請者の日本における生活基盤と法令遵守の安定性を測るためのバロメーターであり、期間が長ければ長いほど入管庁の信頼を得やすくなります。

本稿では、この要件が過去の特例的な「3年」運用から、本来の法的規定である「5年」へと実質的に引き上げられる可能性と、それに伴う審査実務の変化、そして申請者が取るべき具体的な対策について、行政書士の実務経験に基づいて詳細に解説します。

 

永住許可における在留期間要件の法的定義とその変遷

永住許可申請の受理および審査において、申請者が現在有している在留資格の期間は、申請者の日本での安定性と将来の継続的な定着意思を測る形式的な要件として機能しています。この要件は、永住許可のハードルの高さを象徴するものです。

1-1. ガイドラインの規定

法務省が公表している「永住許可に関するガイドライン」では、永住許可の前提条件である国益適合要件の一つとして、以下の規定が明確に示されています。

「現に有している在留資格について、出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。」

この条文の背景には、在留期間が最長期間で付与されている状態こそが、入管法上の「良好な在留状況」の公的な証明と見なされるという考え方があります。

1-2. 「最長」の解釈とこれまでの実務運用

入管法施行規則別表第2において、多くの就労系在留資格(「技術・人文知識・国際業務」、「経営・管理」など)の最長期間は「5年」と定められています。しかし、これまでの実務においては、入管庁の運用上の特例措置として、「当面の間、3年の在留期間をもって在留している場合は、最長の在留期間をもって在留しているものとして取り扱う」とされてきました。

この特例運用は、永住許可申請の事実上のハードルを下げ、多くの外国人が3年の在留期間を取得した段階で永住申請を行うことを可能にしてきました。重要なのは、この「3年」運用が法的な義務ではなく、あくまで入管庁の「裁量による特例」であったという点です。そのため、政府の方針や社会情勢の変化に伴い、この特例運用が予告なく終了・変更されるリスクを常に内包していました。

2026年に向けた運用の変化:3年から5年への厳格化と背景

現在、この「当面の間、3年で認める」という特例的な運用が終了し、本来の法的規定である「5年」を厳格に求める、あるいは3年の付与基準を大幅に引き上げるという動きが、行政書士の実務を通じて明確に表面化しています。

2-1. 特例運用の見直しと公的義務遵守の強化

2024年の入管法改正では、永住者の公的義務遵守状況をより厳格に管理し、違反者には在留資格を取り消す措置(特定技能外国人など)が導入されるなど、全般的に在留外国人の法令遵守に対する目が厳しくなりました。

これに伴い、永住申請の前提となる在留期間についても、申請者に課せられる安定性の要求水準が引き上げられています。具体的には、特例的な「3年で認める」運用が徐々に終了し、本来の法定最長期間である「5年」を付与されていることを必須条件とする、あるいは5年が付与されるだけの極めて高い安定性(勤務先の安定性、年収の継続的な上昇、公的義務の完璧な履行)を求める運用へとシフトしています。

これは、永的在留を許可するにあたり、申請者が日本の社会に完全に定着し、将来にわたり国益を損なわない安定した生活を送る能力を徹底的に確認するための措置です。

2-2. 3年の期間付与基準の引き上げ:事実上の厳格化

仮に今後も3年をもって最長とみなす運用が継続されたとしても、その「3年」を取得するための審査自体が、以前と比較して圧倒的に厳格化されています。以前であれば納税状況や勤務先に多少の懸念があっても当然に3年が許可されていたケースでも、現在は1年しか付与されない事例が増加しています。

これは、入管庁が「永住申請のハードルは下げない」という強い意志を持っており、在留期間の更新審査を事実上の永住予備審査として機能させているためです。結果として、永住申請に必要な「最長の期間」を維持できず、永住申請の要件を満たせない申請者が増加し、実質的な永住のハードルが大きく上がっています。

在留期間の決定に影響を与える具体的要因の深掘り

永住申請の前提となる「3年」または「5年」の在留期間を得るためには、以下の項目において一切の不備がないことが求められます。入管庁は、これらの要素を複合的に評価し、申請者の「在留状況の良好性」を判断します。

3-1. 公的義務の履行状況と「納付期限」の重視

納税、公的年金、公的医療保険の保険料の納付状況は、期間決定において最も重視される項目であり、申請者の法令遵守意識が最もストレートに表れる部分です。

  1. 住民税・所得税:単に完納していることは当然として、審査においてはすべての期日において「期限内」に納付していることが、納税証明書(納付年月日が記載されたもの)や課税証明書を通じて徹底的に確認されます。一度でも納期限を過ぎた履歴がある場合、それは「公的義務の不履行」と見なされ、他の要件が満たされていても期間は1年に制限される可能性が高まります。
  2. 公的年金・健康保険:特に会社員からフリーランス(国民年金・国民健康保険)へ転換した際や、転職による空白期間が生じた際の納付状況が、年金事務所や市区町村役場からの証明書を通じて精査されます。1日でも納期を過ぎた履歴がある場合、在留状況が良好とはみなされず、在留期間は1年に制限されるという運用が定着しています。過去の遅延を隠蔽することは虚偽申請とみなされるため、正直に申告し、その後の改善実績を強調する対策が必要となります。

3-2. 勤務先のカテゴリーと安定性

所属機関(雇用主)の規模や経営状態も、申請者の雇用の継続性、ひいては生活基盤の安定性に直結するため、期間決定に大きく影響します。

  1. カテゴリー1・2(上場企業や一定の納税額がある企業):これらは入管庁にとって信頼性の高い企業と見なされるため、申請者本人に大きな問題がなければ、比較的5年や3年が付与されやすい傾向にあります。
  2. カテゴリー3・4(中小企業や新設企業):企業の決算内容が直近で赤字である場合、あるいは自己資本比率が低い場合(債務超過の状態)、入管庁は「この企業が今後も安定的に外国人を雇用し続けられるか」という雇用の継続性に強い疑義を持ちます。この場合、本人の年収が十分であっても、雇用主の安定性不安から期間は1年とされます。

3-3. 扶養家族の適正性と税務リスク

所得税法上の扶養控除を適正に利用しているか、特に海外に居住する親族を扶養に入れているケースについて、極めて厳しく確認されます。

  1. 海外扶養のリスク:海外に居住する親族を多数扶養に入れ、その親族への送金証明(生活費や教育費の送金)が不十分な場合、不適切な税務申告(脱税行為と見なされるリスク)とみなされます。
  2. 法令遵守意識の欠如:これは単なる税務上の問題に留まらず、入管庁によって「法令遵守意識の欠如」と判断され、在留期間短縮の直接的な原因となります。扶養控除の是正を求められたにもかかわらず対応しなかった場合、永住申請そのものが不許可となる可能性もあります。

各在留資格における期間決定の詳細実務と必要とされる安定性

永住申請を目指す各在留資格について、期間決定において特に重視される実務上のポイントを詳述します。

4-1. 技術・人文知識・国際業務(技人国)

実務上、同一の会社に3年以上継続して勤務し、かつ年収が安定して上昇している場合に3年以上の期間が認められやすくなります。これは、長期的なキャリアプランと定着性が確認できるためです。

転職を繰り返している場合(特に1年以内の短期間での転職)、入管庁は申請者の「定着性」および「職務の継続性」を確認するため、慎重な判断として1年の付与を繰り返す傾向があります。また、現在の業務内容が許可された活動範囲(専門的・技術的な業務)を逸脱していないかも厳しくチェックされます。

4-2. 経営管理

経営管理ビザは、事業の継続性と安定性が、申請者本人の在留資格の基礎となるため、極めて厳格に審査されます。

  1. 決算状況:直近の決算が赤字である場合や、債務超過(会社の負債が資産を上回る状態)の状態にある場合、事業の継続に疑義があるとして期間は1年となります。
  2. 事業実態の健全性:単に会社が存在するだけでなく、事務所の維持状況(賃貸契約、実態の確認)や、従業員の雇用状況に不自然な変化がある場合も、事業実態を慎重に確認するため1年が付与されます。永住申請に必要な3年以上の期間を得るためには、少なくとも2期連続の黒字計上と、安定した役員報酬の支払実績(本人および家族の生計維持に足る水準)が不可欠です。

4-3. 高度専門職

高度専門職(1号)は、ポイント計算に基づいて5年の期間が原則として付与されます。これは、優秀な人材として入管庁が優遇しているためです。しかし、永住申請を行う際には、申請時点でもポイントが維持されているか、あるいは過去に遡ってポイント計算が適正であったかが再確認されます。特に年収ポイントや学歴ポイントについて虚偽や誤りがあった場合、過去に遡って在留状況が不良と判断されるリスクがあります。

不許可および期間短縮に至る具体的ケース10例

実務上で実際に発生している期間短縮の具体例を詳述し、入管庁がどのような要素を重視しているかを明らかにします。

  1. ケース1:年金切替遅延:転職時の厚生年金から国民年金への切り替えが1ヶ月遅れたため、その期間の納付義務の不履行を問われ、更新で1年が付与された。入管庁は「公的義務は途切れてはならない」という原則を厳格に適用しています。
  2. ケース2:多人数扶養と送金証明不備:年収600万円あるが、海外の両親および兄弟3人を扶養に入れており、年間を通じた送金証明書の一部が不足していたため、扶養控除の適正性に疑義を持たれ、1年が付与された。
  3. ケース3:住民税の納期限翌日支払い:住民税を一度だけコンビニエンスストアで納期限の翌日に支払った履歴が、納税証明書(納付年月日が入ったもの)から判明し、「納期限遵守の意識の欠如」と判断され、1年が付与された。
  4. ケース4:所属機関届出遅延:所属機関に関する届出(転職の届出)を、入社から3ヶ月後に行ったため、入管法上の届出義務の不履行を問われ、1年が付与された。届出は事由発生から14日以内に行う必要があります。
  5. ケース5:会社決算の連続赤字:会社の決算が2期連続赤字であり、本人の年収に問題はなかったが、企業の安定性に不安があるとして雇用の継続性に疑義が持たれ、1年が付与された。
  6. ケース6:住民登録変更の遅延:引っ越し後、市役所への住民登録の変更を1ヶ月以上放置していたことが、行政データとの照合から判明し、居住地届出義務の不履行を問われ、1年が付与された。
  7. ケース7:配偶者の資格外活動違反:配偶者が家族滞在ビザで資格外活動許可の範囲(週28時間)を超えて就労していたことが判明し、世帯主の管理責任を問われ、世帯全体としての法令遵守意識が低いと判断され、1年が付与された。
  8. ケース8:軽微な交通違反の累積:軽微な交通違反(速度超過、駐車違反)を過去2年間に3回繰り返したため、素行善良要件を満たさないとみなされ、1年が付与された。軽微な違反であっても、累積することで問題視されます。
  9. ケース9:単純作業従事の疑義:技術・人文知識・国際業務の資格で在留しているが、実態として単純作業に従事している疑いを持たれ、詳細な業務説明を求められた結果、資格外活動と見なされ、1年が付与された。
  10. ケース10:年収の長期的な低下:前回の更新から今回の更新までの間に、年収が300万円を下回る時期が1年以上継続したため、独立生計要件の不安により、生活基盤の安定性に疑義が持たれ、1年が付与された。

1年の期間から脱出し、3年・5年を勝ち取るための具体的対策

現在1年の期間しか持っていない方が、永住申請に必要な期間を得るための実務的対応、すなわち入管庁の信頼を回復するための具体的なステップを解説します。

6-1. 公的義務の完全な適正化と実績作り

過去に納付遅延がある場合、最も重要なのは改善実績を示すことです。まずは全ての支払いを口座振替に切り替え、その後の最低2年間は1日の遅延もない実績を作ります。入管庁は過去の違反を重視しますが、その後の改善の努力と実績も評価の対象とします。更新申請時には、口座振替の領収証または通帳のコピーを添付し、「今後は遅延を起こさない体制を確立した」ことを具体的にアピールする必要があります。

6-2. 修正申告と適切な扶養管理の徹底

不適切な扶養控除を行っていた場合は、問題を放置せず、速やかに税務署で修正申告を行い、不足分を納税します。これを隠蔽したまま更新や申請を行うことは、虚偽申告とみなされるリスクがあるため、行政書士等の専門家と相談の上、誠実な対応を行う必要があります。また、海外親族への送金は、毎月一定額を定期的に送金し、その銀行送金記録を欠かさず保管することが必須です。

6-3. 更新申請時の理由書の充実と専門性の強調

単に申請書を提出するだけでなく、なぜ現在3年以上の期間が必要であるのかを論理的に説明する理由書を添付します。これは入管庁の審査官に対し、申請者の定着意思と必要性を直接訴えるための重要な文書です。

  1. 現在の職務の重要性と専門性:会社の組織図における申請者の位置づけや、代替の利かない専門性の高さを具体的に記載します。
  2. 会社からの高い評価(推薦状等):企業側から「この外国人は事業に不可欠であり、今後も長期雇用する予定である」旨の推薦状を取得し添付します。
  3. 日本での生活基盤の安定性貯蓄額、資産状況、家族状況(子の就学状況など)を明記し、日本での生活基盤が盤石であることを示します。
  4. 将来の日本への貢献意志:今後も日本で長期的に働き、納税し、社会に貢献する具体的な計画を記載します。

2026年に向けたデジタル審査(マイナンバー連携)の影響と対策

2026年までに、入管庁の審査システムと他行政機関(税務署、年金機構、市区町村役場など)のデータ連携はさらに深化します。これは審査の迅速化に寄与する一方で、形式的な不備を見逃さない厳格化を意味します。

7-1. 情報の可視化による形式的判断の加速

これまでは申請者が提出する「納税証明書」「年金記録」等の紙ベースでの審査が主でしたが、今後はマイナンバーを通じて、納付年月日、未納の有無、世帯全体の収入状況が瞬時に参照可能になります。これにより、形式的な要件(納期限の遵守、所得水準の維持など)を満たさない申請者に対し、機械的かつ自動的に短い在留期間を付与する運用が加速すると予測されます。審査官の裁量の余地が減り、データ上の「クロ」は容赦なく期間短縮に繋がります。

7-2. 虚偽申告・届出遅延の即時発覚

所属機関の変更届(転職・転勤)や住居地の届出状況(引っ越しによる住民登録)も、他の行政データと照合されることで、遅延や未届が即座に判明します。実務上、事務的なミスや届出の遅延を最小限に抑えること、すなわち「完璧な事務処理体制」を維持することが、これまで以上に重要になります。行政書士と連携し、届出義務が発生した際には速やかに対応することが、期間短縮を避けるための必須条件となります。

就労ビザ全般に関する知識と永住申請への接続

就労ビザ(技術・人文知識・国際業務、経営管理等)から永住権を目指す場合、そのビザの目的(活動内容)が永住申請時まで一貫して維持されていることが、在留状況の良好性として評価されます。

8-1. 活動の継続性と業務の純粋性

例えば、技術・人文知識・国際業務で在留している者が、許可された業務範囲外の副業を行っている場合(資格外活動違反)、あるいは主たる業務が専門性を要しない単純作業化している場合、永住申請時の「国益適合要件」においてマイナスの評価を受けます。ビザの活動内容と実態が乖離していないこと、すなわち「ビザの純粋性」の維持が求められます。

8-2. 適切な報酬水準と独立生計の証明

就労ビザの維持には、日本人と同等以上の報酬が必要ですが、永住申請においてはそれに加え、独立生計を営むに足りる年収(一般的に世帯年収で300万円以上、扶養家族がいる場合は加算が必要)を継続的に維持していることが必須となります。単年度の年収ではなく、過去数年間にわたる安定した収入実績が評価されます。この安定性の証明こそが、長い在留期間付与の根拠となります。

結論と今後の見通し

2026年に向けた永住審査の厳格化は、決して法改正によるものだけではありません。実務上、永住申請の前提となる「最長の在留期間」の付与基準が、過去の特例的な「3年」運用から、本来の法的規定である「5年」を意識したものへと移行しつつあることが本質です。

申請者は、10年の居住歴や年収といった目に見えやすい数字だけでなく、日々の納税、社会保険料の支払い、各種届出といった公的義務を、納期限を含めて完璧に履行することが、入管庁から「日本に永住するにふさわしい」と信頼を得るための唯一の方法となります。これらが積み重なって初めて、3年や5年といった長い在留期間が付与され、永住権への道が開かれます。この厳格化の時代において、事務処理の完璧さと誠実な生活態度が、最も重要な審査基準となることを強く認識してください。

ページの先頭へ

   

03-6450-2865

受付時間:10時~19時(平日)、10時~17時(土曜)

03-6450-2866(24時間受付)