【日本人の配偶者資格】から永住者へ変更解説

【日本人の配偶者資格】から永住者へ変更解説

日本人の配偶者資格とは

配偶者ビザとは、結婚ビザと呼ばれ正式には在留資格「日本人の配偶者等」とういうものです。その名の通り、日本人と結婚している外国人に与えられる在留資格です。日本人と結婚して日本で生活していく上で不便に感じる事が多くないかと思います。しかしながら、日本人配偶者と死別や離婚をすると在留資格の取消の対象となってしまいます。そのため、配偶者ビザから永住権の取得を検討される方が一定数おります。このページでは、配偶者ビザから永住権を取得するポイントを解説していきます。

配偶者資格から永住権取得のための条件

在留期間について

現に有している在留資格について、入管法施行規則別表第２に規定されている最長の在留期間を持って在留していること。
独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること。
日常生活において公共の負担にならず、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること。
素行が善良であること。
罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。
公的義務（納税、公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務）を適正に履行していること。

1）在留期間について

永住申請をするには、原則として引き続き10年以上日本に在留していることが必要ですが、日本人とご結婚されている方は、3年以上の実態のある婚姻生活があれば、1年日本に引き続き滞在しているだけで大丈夫です。又日本人の実子等の場合は1年以上日本に継続して在留していることで当該要件を満たします。

・実態のある婚姻生活について

しかしながら日本人と結婚はしているけれども、実際は別居していたりなどと、婚姻の実態が無ければ、3年以上の実態のある婚姻生活あるとは認めてもらえず永住権は取得できません。そもそも配偶者ビザを取得するために、手続き上の婚姻手続きだけをした状態であれば、永住権はおろか配偶者ビザの更新も不許可になる可能性が高いです。

しかし、夫が仕事の都合で単身赴任しており、月の3分の2は別居であるというような一緒に暮らしていない期間において合理的な理由があるのであれば問題ありません。

・出国について

出国に対する考え方は他の在留資格から永住申請をするのと同じで、出国が多い場合は、引き続き1年以上の要件のカウントがリセットされることがあります。1回の出国で90日以上、又は1年間で半年以上出国した場合は永住申請においてマイナスの要因となります。

特に配偶者ビザから永住申請をする場合は、実態のアル婚姻生活が3年以上あることが１つの要件ですので、出国が多い場合はこの観点からもマイナスとなります。

２）現に有している在留資格について、入管法施行規則別表第２に規定されている最長の在留期間を持って在留していること

現在付与されている配偶者ビザの在留資格の在留期間が、最長である事が要求されます。つまり、配偶者ビザの在留資格を持っていても在留期間が1年で付与されている場合はこの要件を満たしません。日本人の配偶者等の在留資格は、1年3年5年の在留期間のいずれかとなっています。

この場合、5年の在留期間が必要と考えるかと思いますが、3年以上の在留期間でこの要件を満たすことができます。

３）独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること

配偶者ビザからの永住権の取得でも、収入の基準は他の在留資格からの申請とほとんど変わりませんが、配偶者ビザから永住申請をする場合は、多きなメリットが１つあります。
それは、永住申請をする外国人と日本人配偶者の収入を合計して審査をしてもらえるという点です。そのため、永住申請をする外国人に収入が無い場合でも、日本人配偶者に十分な収入があればこの要件を満たします。

なお収入の判断基準は市区町村発行の課税証明書となり、提出する期間については、直近3年分となります。

4）日常生活において公共の負担にならず、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること

生活保護を受給し公共の負担になっている場合は、永住権の取得は難しいです。
これは、永住申請をする外国人ではなく、日本人配偶者が生活保護を受けている場合も同様です。

５）素行が善良であること

法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること。

過去の懲役刑や罰金刑、交通違反の事を指します。過去に懲役刑や罰金刑を受けている場合は、処分の日から期間をあけてから申請することを推奨します。どのくらい期間をあけるかは、刑の重さや支払った罰金の金額により異なりますが、目安として5年から10年程度になります。

また、交通違反については、行政罰と刑事罰のどちらかを課せられたかによって異なります。一時停止違反等の軽微な違反は行政罰に分類されるので、数回程度であれば特に問題ありません。飲酒運転や重度のスピード違反は刑事罰に分類されるので、これに該当する場合は、処分の日から期間をあけてから申請することを推奨します。

6）罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。公的義務（納税、公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務）を適正に履行していること

住民税と年金を適正な時期に納めていることが必要です。申請人が日本人配偶者に扶養されている場合は、日本人配偶者の納税状況も審査されます。未払いがある場合は論外ですが、支払い済みの場合でも納付期限に遅れがあれば永住申請で許可を得るのは難しいです。永住申請で適正な時期に適正な納税をしていることが必要です。

あとがき

このページでは、配偶者ビザから永住権取得のためのポイントを解説致しました。配偶者ビザで日本に在留している場合は、実態のある婚姻生活が3年以上経過していれば居住要件が大幅に緩和されます。また、収入要件も日本人配偶者に収入があれば要件を満たすことができますので、外国人に収入がない場合でも永住許可を得ることは可能です。