「永住申請」と転職
永住申請と転職について
日本で就労する外国人に限らず就労していれば転職の話や機会は誰にでもあるはずです。そして、永住権の申請をしようと考えているときや申請中に転職の話がある、または転職活動をしようと考えているけれど、永住審査には影響があるのかどうかを懸念される方も多いと思います。
また現在までの転職回数が多いけれど、不許可になる可能性があるのか不安になられる場合もあるでしょう。永住申請では「収入の継続的安定性」が大きなポイントの一つです。収入の継続的安定性という面から永住申請と転職について下記のとおり説明します。
永住申請前の転職
前項でも説明のとおり就職していれば転職の話は常についてくるものです。
そして、転職をしてからすぐに永住申請を行うと、就労状況が安定していないと判断される恐れがあります。収入面等やキャリアアップしていれば問題ないと思われるかもしれませんが、新しい職場で安定して働けているかというところでの安定的定着性の疑義が生じてしまいます。
転職の理由には収入だけでなく労働時間や劣悪な就労状況が理由である場合もありますが、特に収入等が減少しキャリアダウンの転職をしている場合はさらに審査が厳しくなってしまいます。もし転職後に永住権を希望される場合は、転職して1年前後が経過し安定的定着性が証明できるようになってから申請が許可率を高める1つの方法です。
永住申請中の転職
前項と同じように、やはり収入の継続的安定性という面からはあまり好ましいとは言えません。しかし、キャリアアップの転職は長くかかる永住審査が終わってからというわけにはいかないことが多かもしれません。もし申請中に転職した場合は、その旨を出入国管理局就労部門に届出をしなくてはなりません。新しい就職先に関する書類の提出が相当量求められますので、転職先の協力も必要になる場合も生じます。
転職回数が多い場合の永住申請
外国での就職も含め日本での過去の転職の回数が多いからといって、審査に不利に働くというわけではありません。それよりも転職時にきちんと手続きしているかが重要ポイントになるのです。就労資格を取得している場合は、出入国管理局に「所属機関等に関する届出」をしなくてはいけません。また社会保険等の切り替えが正しく行われていて、納付がきちんと行われているかも大切です。ここで些細な失敗や手続の怠りがあった場合は永住審査が不利に働くので注意が必要です。
このように、転職すると永住資格がとれなくなるというわけではありませんが審査がかなり厳しくなることもあります。転職のタイミングや収入面では特に気を付けたほうが賢明です。また就労資格を持っている場合、転職後の職種が現在の在留資格では働くことができないのに転職をしてしまうと資格外活動とみなされ現在の在留資格も取り消しになってしまい、もちろん永住申請どころではなくなってしまいますので、転職時には「就労資格証明書」は取得しましょう。
くわしくは ➡ 「就労資格証明書」(出入国管理局HP)
あとがき
いままで説明してきたとおり、永住申請は様々な要件を具備した限られた外国人が申請できるのであって、日本にいる外国人が誰でもできるわけではありません。
したがって、永住申請を検討している場合には転職について十分考慮の上、広範な知識と慎重な行動そして適切な行動が重要なので経験豊富なプロに依頼する事も1つの方法です。