「永住申請」と扶養人数
永住申請においては、就労資格の方は過去3年分、配偶者資格の方は過去1年分の年収が審査の対象になりますが、扶養している親族の数も関係して問題になってきます。
年収の額も重要なのですが、それと同時に扶養人数の数も重要なのです。つまり何人扶養家族がいて、どのように扶養しているのか?ということです。
収入が多くても、扶養人数が多ければ生活に使えるお金は少ないということになりますし、扶養家族が多ければ所得税や住民税が低くなり、税収面では日本に貢献されていないということになります。
をプラスして考えないといけません。
つまり単独で永住申請したい場合は、 ➡ 年収300万円
でもよいですが、例えば妻を扶養している場合は、
最低でも 300万円+60万円 ➡ 360万円の年収
が必要ということです。
例えば、妻と子供3人がいて扶養
していれば以下の計算が目安になります。
(妻60万✙子30万×3人) = 150万円
つまり、5人家族の場合の年収必要額は、
基本300万 +加算150万円 ➡ 合計 450万円
の年収が必要となります。
*この場合子供が未就学であれば3人で90万円となる。ただし子供が就学となった場合には1人で60万円と計算するのが妥当と思料されるので注意が必要です。
永住申請で扶養が脱法行為とみなされる場合
依頼者から源泉徴収票や納税証明書を確認すると、海外居住の父母や祖父母、さらには兄弟姉妹まで扶養に入れて、税金が非課税となっている方もよくいます。外国人同士のネットワークでは、どうしたら税金が減らせるかという話が伝わり、扶養の数を増やせばいいという考えに至ると思われます。これは脱税になる恐れがあるので注意が必要です。
この状況で永住申請をした場合、永住の審査権者である当局(出入国在雄管理局)から【資料通知】という質問状及び疎明資料ないし追加資料を求められます。この場合だと本国(外国)に対し全ての送金証明での疎明ができない場合、永住申請は「脱税」をしているとみなされ明白に不許可になります。
したがって、本当に扶養すべき人を扶養していればよいのですが、実際には父母は母国でしっかり働いていたり、まったく国際送金をしていなかったりといったことが後日発覚するのです。
このように外国人においては、適正に納税していないということが問題視され2016年から「親族関係の書類」と「送金記録」の書類を提出しないと扶養控除ができなくなるという制度にかわりました。それ以前は、証明資料がなくても単に名前を書くだけで簡単に扶養に入れることができたのも現実であって、2016年以前の扶養人数に関しては、その扶養が適正だったのかどうかという観点から、海外にいる父母や親族との関係や親族の状況、送金の記録の提出と説明を入国管理局から求められることが非常に多いです。
もし、適正とは言えない扶養をしていた場合は、遡及(さかのぼって)扶養を外していく手続きも、永住申請の前に必要になります。
2016年以後についてはそもそも証明資料がないと扶養に入れることができないシステムになっておりますから問題ないと思いますが、それ以前の年の扶養人数についてはお気を付け下さい。
永住申請するにあたって扶養人数及び年収計算など不安な点がある場合は経験と実績が豊富な当事務所にお気軽にお尋ねください。状況によっては抜本的に適正な状態(過去の扶養人数を減らす手続きなど。)にすることもありますが、諸官庁での手続きについて最善・最適な提案を致します。