永住権が不許可になる原因
目次
世帯年収が規定要件（３００万円）以下の場合
永住申請においては、独立生計要件があり年収300万円以上あることが目安です。
これは世帯年収でもよい場合がありケースバイケースですが、申請人本人の年収が３００万円あることが原則です。この要件は他に年数要件もありとても大事な部分なのでお困りの方はぜひ当所ご相談ください。
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永住許可申請書の記載方法が不十分
永住申請をするときには「理由書」の提出が必須です。自己申請する人は当局（入国管理局）の審査の趣旨も解らず、どの様に書いたら良いかをよく解らないまま適当に書いているのですが、申請者自身が書いた理由書が原因で不許可になってしまった方も多くいるのです。
その原因を以下に掲げると、
- 1.申請理由書の内容が不適当（文章の内容と事実が伴っていない）なので虚偽にあたる場合。
- 2.申請人の不利な状況を隠匿している場合。
- 3.文章自体が少なすぎる場合。
- 4.文体が意味不明（何を言っているのかよくわからない）な場合。
他の永住要件は満たしているのに理由書だけが原因で不許可になるのは不合理なので、永住許可申請理由書の作成には文章をうまくまとめる熟練した専門家に任せることも永住許可の可能性を上げるためには必要不可欠なことだと思います。
扶養人数が常識の範囲を超えている
扶養家族の人数が多ければ多いほど税金が安くなりますので、外国人の方で母国在住の親や兄弟姉妹を扶養に入れていることは多いのが実態です。しかし、扶養に入れるには適切ではない場合（本来は扶養に入れることができない場合）は、扶養に入れている扶養家族を外して、さかのぼって修正申告をする必要もあります。
扶養家族の数については永住申請の際には重要なポイントになります。永住申請の際に仕送りした証明として国際送金記録が必要不可欠になります。
出国歴の超過
日本に長く在留している方でも1回の出国で90日以上海外へ出ると、そこで今迄の日本居住年数がリセットとなり、再度1年目からカウントとなります。また、1回の出国で90日を越えない場合でも、1回の出国が2週間とか１カ月と回数を重ねて出国し、1年で合計150日以上出国しているとその年でリセットとなります。
将来永住申請したい方は出国日数に注意して生活していきましょう。海外出国歴が多く永住申請が許可されない方が非常に多くいます。
税金の未納及び支払期日の徒過
税金に未納があると絶対に永住は許可されません。会社員のかたは住民税に気をつけて下さい。特に特別徴収（会社から天引き）でない場合、ご自分で支払う必要があります。会社経営者の方は、個人としての住民税はもちろん、経営する会社の法人税や消費税なども完納している必要があります。
そして、近年の永住申請では当該支払期日を徒過して遅延払いしても【素行要件】上、真面目な人ではない（払い汚い）、とみなされ期日どおりに支払実績を重ねて５年間経過してから永住申請をして下さい。と言われたケースもあるので特に支払期日の順守はとても重要です。
国民健康保険の未払い及び支払期日の徒過
永住申請においては国民健康保険の支払い状況について非常に厳しく審査されます。勤務先で社会保険に加入している方は全く問題ないのですが、会社で社会保険に加入していない場合は、ご自分で居住地の市（区）役所で国民健康保険に加入していると思います。国民健康保険は自分で支払いをしなければいけません。
支払い納付書が自宅に届くと思いますが支払納付書には納期限が書いてあります。国民健康保険についてはもちろん全然払ってない場合は許可にはなりません。しかし、しっかり払っていても納期限を守らずに払っていないというだけで不許可になります。国民健康保険は納期限まで守って払うようにして下さい。
年金の未払い及び支払期日の徒過
永住申請においては、年金を払っていない場合は不許可になる場合があります。
会社で社会保険に加入し厚生年金保険を天引きされている方は全く問題ありません。しかし、会社で厚生年金に入っていない場合は、自分で年金事務所へ国民年金の遅延を支払う必要があります。今後永住申請をしたいとお考えの方は今から納期限を守って払っていくようにしてください。
年金については国民健康保険と違って、払っていないというだけで不許可になる判断もできないのが現状です。もし年金を払っていない方で永住申請をしたいという方はぜひ一度ご相談ください。
交通違反の違反回数が多い場合
一時停止違反や駐車禁止、信号無視など軽微な交通違反は永住の不許可原因となります。永住申請においては「素行が善良」であることが求められるからです。
車を運転する方は、日ごろから交通違反には注意が必要です。最近は自転車も車と同様に扱われることもあるので自転車を乗るのでも注意が必要です。ご自分の交通違反歴を良く覚えてない場合は、最寄りの警察署にある申請書を使って「運転記録証明書」を取得することによって確実な情報を取得することができます。
在日在留日数が不足している
永住申請は原則１０年以上日本に居住して、その１０年の中で５年以上就労の在留資格で居住していることが要件です。
（※日本人や永住者と結婚している場合は１年や３年で良い場合もあります。）
この「10年」という要件は、あくまでも１０年という期間が経過してから永住申請の要件を満たすのであって、永住申請中に１０年を満たす期間は含みません。
したがって、１０年という居住期間が経過し、かつ５年以上の就労期間が経過後に永住申請の期間的要件は満たすことになります。
同一生計者に法律違反行為が存在する
同一生計者、つまり家族滞在で在留する妻や子が資格外活動許可をとっても週２８時間までしか働くことはできません。それ以上働くと資格外活動オーバーとなり不法就労罪にあたります。
したがって、永住申請においては申請者本人の納税証明書や課税証明書を3年分提出しますが、同居する同一生計者である家族滞在者の納税・課税証明書を提出しなければなりません。家族滞在者としては、極端に多い年収が記載されていれば週２８時間以上働いることが判明し、永住が不許可となります。
永住申請者本人が家族のために「監督不行届」として不許可になります。更には家族滞在の在留資格更新もできなくなる恐れがありますので、くれぐれも資格外活動の範囲内で就労するようにしましょう。
身元保証人が不適格な場合
永住申請における身元保証人は日本人か、永住者である外国人です。
就労ビザの外国人や家族滞在の外国人に依頼はできません。日本人と結婚している人は配偶者（日本人）にお願いします。身元保証人は道義的責任にとどまりますが、道義的には経済面での保証と法令遵守させるという役割があります。
よって身元保証人は定職があり、しっかり収入があり（目安は年収３００万以上）、納税義務は果たしていることが求められます。くれぐれも身元保証人代行サービスは利用しないようにしましょう。身元保証人代行サービスを利用することで逆に不許可の原因となります。
現在所持している在留資格が3年以上の在留資格ではない、永住申請が許可になるためには現在の在留資格が「３年」か「５年」である必要があります。１年の在留資格では永住は取得できません。
あとがき
以上に掲げた永住の不許可原因はあくまでも基本的な部分に過ぎません。
したがって、不許可原因は外国人であるあなたが日本で生活する中で公序良俗（公の秩序又は善良な風俗）違反（例えば：結婚している夫又は妻が浮気するなどから発生する事件。）や民事事件（例えば：金銭トラブルや債務不履行で金銭の返済不能になる。）そして、刑事事件（例えば：喧嘩での暴行事件、詐欺事件など。）など多種多様にわたり危険はあなたの生活の中にいつもひそんでいるので注意が必要です。
又、自動車による信号無視による事故や速度超過（スピード違反）などの交通違反や事故なども罰金になった場合は不許可事由になるので注意が必要です。
このコンテンツでは不許可になる原因の代表的な事例をいくつかご紹介しました。
しかし、上掲で述べたように不許可原因はこれだけではありません。
したがって、永住申請について様々な事情からご自身で不安を感じている方はお気軽に当所までご連絡下さい。
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